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01「手」にとるすべもなく

物質としての物の総量は日々増加していく。
同時に、私達が気付かぬうちに消えゆく物もある。
物が細分化され、増殖し、有り様も複雑になれば、
その多様性は一意の豊かさを形成する。

我々の目に入るものは、物事の全体からするとほんの一部に過ぎない。
細かな生活の変化を宇宙から観察し、見てとるような行為を
日常的に行うことは難しい。

物事の総体はそれらを構成する細部の集合である。
人間の各々の細胞が分子レベルで激しく運動をしても
人間という総体は固定されているように、
物事も細かな事象の集合を平均し、
平衡状態を一定のルールで維持する。

つまり、多様であるための特異性も一種の平衡状態の構成要素であり、
動的にルールを持つ環境の中では必要不可欠なのだ。


性別、宗教、人種。

人間の決めた規則や倫理にそって認識するその概念を超えて
自然や宇宙のより高度な秩序に任せる、という状態を認識すること。
それ以上でもなくそれ以下でもないこと。



気付かぬうちに変化していることさえも、
変容する個体としては変わっていないように、
我々の認識する眼はすべての認識を不可能にする。

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