POETRY

  • 貝柱達の
    午後の喧噪

    高架下の樹脂はいつも慌しく
    欠落の瞬間は、文字を自ずと数える
    また、懸命な排気ガスと急激な注意を
    また、インキの黒の生え際とその映える音を
    初老の後頭部の結び目は新緑の芽の奥に
    いづれの山も
    また
    また

  • 閉鎖的な兄弟愛の
    分配について

    知力の女性器としての描写は
    ゆるやかな衰退とともにある

    欲動的支配は必要ない
    あまたの宣言が乗り越えるべき壁は
    この両眼への刺激を搾取する

    ひとつ、
    てっぺんの葉はもう枯れてしまった

    ふたつ、
    本日の方法は見つけなければならない

    みっつ、
    絵画の餌は美味である

  • 国雨

    整理されたコットンを嗅ぎつつ
    ボリュームを漂い、曇る肖像のあとで

    机上の発汗を包み込む老いの幾ばくかは
    過ぎ去った国旗を背に散らしている
    風景に溶け込んだシンボルは
    その距離だけを誇らしげに獲得し、
    正円を輝かせながら
    等倍の穴を掘る

    気が付けば口内は様々な動物の毛が絡み付いていた

    其々の基準から眩い祭を
    毛布をかけ、忘れるその容易さを
    さぁ

  • 見ることで見えなくなるものを見る目を持て

    √mat
    √mat√mat
    √mat√mat√mat
    √mat√mat√mat√mat
    √mat√mat√mat√mat√mat
    √mat√mat√mat√mat
    √mat√mat√mat
    √mat√mat
    √mat

  • 円的

    気高き円運動の
    肺を連ねるそのめまぐるしさ
    まさにか弱きせせらぎが
    水蒸気と化す群集へと手渡された

    鋭角に切り出された女性は分身を繰り返し
    その筋力を自らの囲いへと役立てるのだ

    平行且つ分離は冷静さのもとに白光を逃がす
    それらは一点に集められ、圧縮され、隠される

    体内の斜陽を獲得した者のみが得られる喪失
    土に染み込み、新たな循環のリズムとなるだろう

WorkPoetry

2016

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