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テクストについて

人は名付けることにより、語の意味形象的差異性によって、相互差異的に自己同一性を得た個が、それぞれの有意味的存在単位を意味分節という形に集約させる。

この無量無数の限定され特殊化された最小単位の意味連関組織、網目のような穴だらけの全包囲的磁場によって切削された現実が現象する。

この現象における包囲性の解読とそのものの流転が織りなす力動が、意味の即時的効用を得て快楽をもたらすとき、そのテクストなるものは主観的存在論として生起される。

一方、書く=テクスト化する行為は、メタ的構造仮説をそれぞれの整合性の内に打ち立て、網目組織として有限性を保ちながら接続を繰り返し、或る視点を無限の次元展開の生成プロセスの中へ投企させることに他ならない。

これらが円環のように内的完了を志向するものであることを期待し、またそれらが一種の可塑性を備えて新たな意味接続として思索を紡ぎ出す彼方へと試みる出来事でもある。

書く――それを始めることは欲望的目的論のもと、言語の網目の能動的理解を走り出し、文化的無意識に関連づけられた盲目上の本質をあらわにする。

だからこそ、書かれたもの=テクストが示す文化的無意識によって規制された聖域は無目的な禁忌によって暴かれ、またそれを想定することで書く――読むが、網目の二重性、もしくはベースとなる下地が表層に及ぼす作用が、その表層の意味そのものを逆限定していることを意識させる。

よってテクストとは、それ自体の指示の追跡のみならず、それが無意識的に正誤の判断を持った根拠となる慣習的結果の本質論のメトニミーとして機能し、包囲される対象深度の複層的対峙を浮き上がらせる有限的な問題定義に他ならない。

テクストについてtext

02/2022

Tomonori Koyama