可能性から–
建築家はこれ以上建物を増やす必要がないと感じているにも関わらず家を建てなければいけない。
私たちはすでにもう、作り得ないということから始まるのかもしれない。
重なり–
小さいことが、なめらかに、
ただ進むだけで、
それは生活の骨となって、
積み重なるのだと思います。
在ること–
人にはそれぞれ「在る」所があるそうです。
物事の在る場所を作ったり、その場所に上手く収めたりするのがデザインだとしたら、私達がどこに在るのか、を考えるのは生み出す行為の前提として、ひとつの大きなプロセスを担うでしょう。
宗教や人種、言葉の違いによる意識は比較的穏やかな日本人ですが、さまざまな文化を組み合わせて見つけた「丁度良さ」に、日本的感覚は在るように思います。
しかし都市部では、早すぎる表層的な文化変遷を撫でることで見失うものが多くあり、またそこに環境の意思のようなものがあるならば、巨大な建造物に包み込まれ個の存在を獲得できないまま消えてしまうこともあるかもしれません。自身を七色に客体化させて浮かび上がらせるためには、世界を飛び回りあちこちに場所を作るのもひとつの方法ではあります。
いまはただ、海の近くで世界の環境に思いを馳せながら実利のある思考をもって、新たな視点で限りなく強い選択肢を導くばかりです。
HAI–
札幌にある建築事務所HIKOKONISHI ARCHITECTURE INC.のロゴを制作いたしました。
ヒココニシアーキテクチュアは装飾を控え機能的で永続的な空間を多数生み出し、世界的に高い評価を受けている建築事務所です。2018年には世界最高峰のデザイン賞iF Design Award(ドイツ)を受賞し、北海道江別 蔦屋書店のデザインも手がけています。
制作においては、建築事務所が設計で重要視している価値やイメージが明確に投影され、共通の意識を持たせられるよう配慮しながら進めていきました。
形態としてはタイポグラファー、Berthold Wolpeが設計したドイツの古き金属彫刻書体をもとに、部分的にセリフの特徴を残したヒューマニストサンセリフとしています。
HIKOKONISHI ARCHITECTURE INC.
http://www.hikokonishidesign.com
白露–
晩夏の様相、白露へと水は変わりゆく。
ひのおわり–
オフは葉山の一色海岸へ。
ここはとても気持ち良い空気が流れています。
夕暮れのBlue Moonにて。
祖霊–
日暮れ後に鶴岡八幡宮の本宮に上がり、
段葛を振り返ると、光の山が現れます。
現代の送り火に見立てて眺めるのも一種の数寄。
鎌倉では故きを温ねる術が様々なところにあり、
時勢の赴きに身を委ねることができます。
ロゴについて–
㐂日のロゴは二種類の言語から成り立っています。
文字の形態には特定の文化領域が備わりますが、
それらを横断することに視点を置いているためです。
このロゴは㐂日とは読むことはできません。
ただし、マークとして機能すると思います。
そして特定の読めるロゴタイプは作らないようにしました。
KIBI、㐂日、きび、どのようなものでも
様式と性質が一致すれば良いかなと思っています。