stillness–
深く、深く、眠るように。
dance–
何を象徴しているのかを常に考えること。
photography–
人は悲しいくらいに簡単に忘れる。
だから写真にするのだろう。
killer whale–
本気で数十年かけて体と精神を「シャチ」に変えようとしている人の話を聞いた。
そもそも何が人を人たらしめているのかという問題もあるのだが、これほどまでに「シャチになりたい」という、一見無謀としか思えないことを本気で実行している姿に心を動かされた。
何かに「なる」ことを強く欲する力の源は、自分自身の開放についての欲求でもあり、既成概念が盲目的に強いる抑圧から脱却することを意味する。
私は何になりたかったのだろうとぼーっと考えてみた。
あらゆる悩みに答えを出せるようになりたい。生きていることの意味や価値について一通りの答えを出したい。すべてのことについて知識を得た後に見える景色を見てみたい。
これまで禅問答のように繰り返してきた受け答えさえも、人間的な前例のある形を踏襲したに過ぎない。
一方これまで「シャチ」になった人はいない。シャチになることは前人未到の挑戦でもある。例え思うようなシャチになれなくても、シャチになれると信じて最大限なろうとすること。
こういう思いをどこかにしまい込んでなかっただろうかと自問自答する。
私の中の「私」は、私以外の誰にも見いだせないのだと気づく。
distance–
写真とは「距離」の関係性を探る修辞学なのだ。
enoshima, 2023–
hu–
ない、が常
束となり頬をなで
あるいは
動きの形に骨を飾る
名付ける部分は
役割をもつもの
その他の薄れゆく身
ひとつひとつが
私達そのものであった
交じり分かつ
認め向かい来るのを待つ
だがどこから来て
どこへ行くのか
それぞれの量で
名前を変えてもなお
一定でないことだけに
価値を見つける
明日もつきぬけ
名を得てつきぬけ
体を成す前の
小さな名の集まりを
すべての–
若い頃は何事にも答えを求めていた。
答えが出ないのは自身の努めが足りないからではないかと思い必死で踠くが、
これはどうやらことの在り処を見誤っていたのだと気付く。
考え、悩み、対話する。
答えは出ないがそれを良しとして、ただ知を得てこれを愛す。
人はそれを哲学と呼ぶ。