デイヴィッド・リンチのストレイト・ストーリーにてこんな会話がある。

「年寄りになって最悪なことは?」
「若者だったときの記憶を覚えていることさ」

過去を積み重ねるほど、「今を生きる」のは難しくなるものか。

力の質

それは火か、もしくは水/風か。
近頃この2つの視点でものを捉えることが多い。

「火」は即効性があり、その強い力で簡単に状況を変えられる。しかし失うものも多い。「水/風」は火ほど劇的な力はないが、ゆっくりとものを育んでいきやがて大きな力になる。

火で問題を解決するのは楽な一方、永続性がなく未来に続いていかない。そこで水/風によって小さな変化から徐々にではあるが土壌作りをし、持続性のある変化を生まなければいけない。

正しさ、正義、正当性について目を向けると火であることが多い。人の命は短しといえど、ライフスパンで捉えては「早すぎる」物事が確実にある。だから私は常に古代から未来を行き来していたいと思う。

demon in future

時間は前に進むしかない。しかし人はAIで「今」にホモ・デウス的神を作り、現時点で留まること=「不死」を実現しようとする。これが人間の知的限界であり、ややオカルト的に言えばこういった矛盾が「グレートフィルター」となり、文明の滅亡に繋がっているという説は説得力がある。

俯瞰と沈黙。それ以上の何か。

幸/不幸

幸福という言葉ができる前は、ただそこに「生活」があった。

「幸/不幸」という概念を作ったことで「不幸」が生まれ、そうではない稀な状態を「幸福」としたのでは、という気がしている。

二億年

これは二億年前の樹木の化石。

二億年後には今いる人はみんな死んでいるから、気にせず好きに生きればいい。

chie no wa

得ようとしている知識がどのように自分に影響を及ぼすのか、
すぐに判断してしまうことの危うさについて。

予測できない未来の影響をすぐに判断して取捨選択しないこと。
認知して得るかどうかの境界をぼかすこと。

じわじわと効いてくる知恵の輪を好意的に受け入れること。
これが未来の自分の栄養になる。

point

人は神が作ったとするには不完全すぎるが、自然が作ったとするとこの上ない最高傑作であると思う。

真空について

真空は実は一般的にイメージする「無」=つまり何も無い状態ではない。

量子力学では真空こそがあらゆる物理現象の舞台となる動的な存在であると言われる。そしてこの何も無いと思われる真空が物質の根源となる可能性を秘めている。

無から有が生まれる。これを認めること。 ここにいま、最も興味がある。

この概念は仏教における「空」に近い。「色即是空、空即是色」つまり物質的現象はすべて実態がなく、およそ実態がないということはすべて物質的現象であるということ。

現象と意味、そこからの生成をどう捉えるか。永遠に尽きない課題でもある。

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