JOURNAL
mimesis–
自然との一体、ということについてよく考える。
テオドール・アドルノによると自然美というものは、人間が主観的経験を通して、自分自身による形成ではない客観に依存しそれに優位性を与えるものであり、また愛情と敬意のこもった関係によるものだとしている。
一方芸術は形式として人間的意図を含まないものを模倣しようと努める。つまりここでのミメーシスは、非人間的なものが語る言葉を人間的手段で現実化することである。この経緯での「人間的意図」こそが芸術を支える手段になっている。
自然における直接的関心(本居宣長のいう「もののあはれ」)は、そのものとして内的持続を与えるが、絶対的象徴としての自然への帰属へ向かう。しかしそれは、人間がこの意識というものを獲得してしまい自律性を求めるがゆえに、自然とまったく純粋な同一を拒まねばならなかったという点において、このミメーシスは非常に本能的に働いており、そしてそれがあるからこそ私も芸術に関与するのだという意識を持っている。