WRITING
03空虚な眼差し
横顔について。
他者による非情な客体化により、
「私」は物事の対峙から脱却させられる。
我々はより次元の低い、つまり現実からそれを模倣したものや、
もしくはそれを転写したスクリーン達と接触する機会を増やすことで、
より高次元へコミュニケーションを強めていく。
人を横から見たとき、「私」は何と対峙していたのだろうか。
もはや対象さえもなく、
不在と格闘しているかのように見えるその顔は
対象を自己の中に取り込み、現実で補完していく。
横顔、–profile。
横顔は、それを見るものとのコミュニケーションの
切断を示唆しているようであるが、
そこに空虚な何かとコミュニケイトする眼差しを見て取れる。
仮想的な無限遠にピントが合った視点は、
フィジカルな体験との比較を無意味にし、
まるで菩薩のように佇む。