WRITING
04パターンを見る
我々は原始より自然界の事象の中にパターンを見出し、
それらを効率良く理解するための手段として、
またはそれらを想起させる意匠として利用してきた。
現代においても交通渋滞の緩和や気象の予報、集団心理の考察など、
パターン化することに拠って問題解決の糸口の
創出となることは多々見受けられる。
何層にも折り重なった情報の層から特定の条件で
断片をピックアップし、より次元の低いメディアに投影する。
複雑な状態は平面的にテクスチャ化される。
情報をテクスチャとして見ることとは何を意味するか。
ある特定の強度のみが表象としての情報を浮き上がらせ、
その他は情報を持たない、つまり0の階調として扱われる。
これは一種の単純化、定義付け、特定範囲内の統治であり、
言語である。
同様のものを絵画に見て取る、という行為は可能だろうか。
絵画は一定の規則のもとに集められた色彩の集合である。
特定の言語で語られるハイコンテクストな土壌は、
まさしく自然界のマクロな活動形態と
トポロジーを成しているように思われる。
我々は気候を読むように、絵画を読むように、
パターンを見る。
パターンは理解を促進し、複雑を可能にする。
パターンはまた、新たなパターンを生む。